ブランドシュヴァネン犬舎

福岡県ジャーマン・シェパード・ドッグ専門のブリーダー。黒色の毛色の子犬や、成犬も販売しています。血統はトレーニングタイプ(訓練系)・ショータイプ(展覧会)とも繁殖しています。シェパードに多い病気(遺伝性疾患)や飼い方などの役立つ情報を発信していきます。

飼い方

【最新】ブリーダー歴20年のプロが教える、ジャーマン・シェパードの子犬の選び方

投稿日:

「これからジャーマン・シェパードの子犬を飼いたい!!」

でもどこから購入したらいいの?

どんな事に注意して購入したらいいの?

などと、初心者だからこそシェパードの色々な事を知りたいって事がありますよね?

ここでは、シェパードの子犬を購入するにあたり、絶対にココだけは押さえておきたいチェックポイントをご紹介します。今回は、シェパードに多い遺伝性の病気についてです。しかし、この遺伝性の病気は、文字通り遺伝なので、両親をしっかりチェックさえしていれば、逆に安心して購入することができます。

一度飼ったら、十数年を一緒に過ごす家族です。買った後から、「えーっ、そんなの知らなかったー。」っと後悔しないためにも、最低限これだけはチェックしてから購入したいものです。

両親を検査していれば100%防げる病気

両親犬をDNA検査し、その組み合わせを配慮することで、生まれてくる子犬達が発病しないように100%コントロールすることができます。特に、シェパードで多いとされている病気をご紹介します。

 

変性性脊髄症(DM)

変性性脊髄症とは、痛みを伴わず、ゆっくりと麻痺が進行する脊髄の病気で、以下のような4段階の病期に分けられます。
ジャーマンシェパード、バーニーズマウンテンドッグ、ボクサー、ウェルシュコーギーなどに多く認められ、日本では特にウェルシュコーギーでの発生が多く見られています。
どの犬種でも症状は9-11歳頃から現れ、後ろ足から麻痺が始まります。
過半数以上の犬において、片側の後ろ足を散歩中に擦って歩く、段差を踏み外す、などの症状がまず認められます。
徐々に病気が進行すると両後肢の麻痺が徐々に進行し、完全に病変は脊髄の前の方にも広がり、前足にも麻痺が現れます。
また、自分で排泄する事が出来なくなります。さらに進行すると、病変は脳幹まで達して呼吸困難や嚥下困難となります。
通常、これらの症状は2-3年くらいかけて進行します。

引用:埼玉動物医療センターHP 変性性脊髄症とは

この病気は両親にこの遺伝子があるかないかを調べるだけで、生まれてくる子犬が発症するかを事前に把握することができます。しかし、通常は、両親共がブリーダーさんの元にいる事は比較的珍しいので、少なくともブリーダーさんが所有している母犬について、変性性脊髄症の遺伝子検査をしているかを訊ねて、【クリア】(遺伝因子が1つもない)の母犬から生まれた子犬達かどうかを確認してください。

 

イベルメクチン高感受性犬(MDR1遺伝子変異)

フィラリア予防薬で有名なイベルメクチンを投与すると、中毒の副作用が出てしまい、最悪、死亡することもあります。残念なことに、シェパードにもこのMDR1遺伝子変異がある犬が存在します。

夏の時期にフィラリア予防薬を与えたら、愛犬が急に具合が悪くなってビックリしたという方もいらっしゃいます。シェルティーやコリーではとても代表的な病気です。

しかし、この病気に関しても、先述の通り、両親がMDR1遺伝子に異常がないかを検査しておくことで、生まれてくる子犬の発症率をゼロにすることができます。少なくともブリーダーさんが所有している母犬について、MDR1の遺伝子検査をしているかを訊ねて、【クリア】(遺伝因子が1つもない)の母犬から生まれた子犬達かどうかを確認してください。

 

 

遺伝病ではあるけど、両親を検査していても残念ながら100%防げない病気

両親ともに正常で問題はないんだけども、生まれてくる子犬に発症してしまう病気もあります。これは、その遺伝病の原因が1つと限定させておらず、いくつかの原因によって発病すると考えらています。

 

股関節形成不全(HD)

股関節形成不全とは、シェパードに代表的な、股関節に起きる骨格の異常です。この病気になると、歩き方がおかしくなったり、時には歩けなくなったりします。生後2ヶ月ぐらいの、ちょうど子犬を購入する時期には分かりません。成長と共に徐々に進行し、生後6ヶ月ぐらいから1歳位になるにつれて徐々に異常が気になるようになります。

股関節形成不全について

股関節形成不全の原因

股関節形成不全の発症の要因は70%が遺伝的要因
・残り30%は環境要因
・遺伝的要因と環境要因が複合され股関節形成不全の程度が決定される。
・股関節形成不全と診断された犬は、原則として繁殖に供しないことを推奨します。

遺伝的な要因の場合は、Willisの報告にあるように股関節形成不全の因子を持つ犬同士の交配を行なうことなどが原因となりますが、発生の起因となる遺伝子が特定されているわけではありません。

環境的な要因はカロリーの過剰摂取による肥満が大きな原因です。肥満は足腰に大きな負担を与えるため、発症予防のためにも肥満にさせないことが重要です。特に1歳までに太らせると関節の形成に大きな影響を与えるため注意が必要です。

引用・出典:特定非営利活動法人日本動物遺伝病ネットワークHPより

 

しかしながら、やはり両親共に健全な犬から生まれてきた子犬の方が、発症率も低くなるので、購入する際には事前に両親がその遺伝病を検査して正常なのかどうかをしっかりと確認し、両親共に異常の無いものから生まれてきた子犬を購入しましょう。

 

参考にどれくらいの発症リスクがあるかを分かりやすく説明した表が下記です。

どんな組み合せでも股関節形成不全の子犬が生まれる可能性があります。
繁殖記録調査結果Willis(1989)

出典・引用:特定非営利活動法人日本動物遺伝病ネットワークHP

 

肘関節形成不全(ED)

股関節形成不全の肘版といったところでしょうか。この病気もシェパードに代表する病気です。股関節と同様、成長過程において徐々に前足に、歩行の異常が現れ、地面につけないようになったり、ビッコをひいたりします。

肘関節形成不全について

肘関節に関しても、必ず子犬を購入する際には、両親がきちんと検査して異常がないかをチェックしましょう。

前述したように、例え両親共に検査して異常がなくても子犬に発症するリスクはあります。しかしながら、なるべく遺伝的要素の確率が低い子犬を選択し、かつ環境要因を出来るだけ減らす飼い方を知って頂ければ、痛みに苦しむ犬達を減らすことができるのではと思います。

 

【最新】ブリーダー歴20年のプロが教える、ジャーマン・シェパードの子犬の選び方 まとめ

ジャーマン・シェパードの子犬を家族として、これから迎える方に、ブリーダーさんに必ず確認して頂きたい項目は、

  1. 変性性脊髄症(DM)
  2. イベルメクチンMDR1
  3. 股関節形成不全
  4. 肘関節形成不全

これらの遺伝子検査や、股関節・肘関節の検査をしっかり行っているか、そして異常がないかを確認してください。

特に、1.2.の項目については、最低限、ブリーダーさんの元にいる母犬が【クリア】の因子であることが必要です。まべた、3.4.の項目に関しては、両親共に異常がない事がベストですが、異常がないからといって、生まれてくる子犬が異常がでないということではありませんのシェパードを飼いたいと思う飼い主さんは、シェパードを家族として迎える以上、股関節・肘関節の病気に関してはリスクを承知の上で購入する覚悟は必要なのかもしれません。

例え、お迎えした子犬が将来、股関節・肘関節の問題を抱えたとしても、決して飼育放棄するような事だけは避けて頂きたいと切に願います。

 

ブランドシュヴァネン犬舎は、股関節・肘関節、そして変性性脊髄症・MDR1も検査した犬達から生まれた子犬達を販売しています。

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